在宅勤務やブログ、YouTubeの動画編集などでPC作業をしている方は、マルチモニター環境を構築しているという方は多いのではないでしょうか。
また、そういった環境にあこがれてデュアルやトリプルモニターのマルチモニター環境を構築したいと思っている方も多いと思います。

マルチモニターにすれば物理的に作業スペースが増えるし、いいことしかないじゃん。
と思うでしょう。しかし、マルチモニターにはそれなりにデメリットも存在します。デュアルディスプレイを安易に導入する前に「4Kモニター1台で済ませる」を選択肢に入れるべきだと筆者的には思います。
マルチモニターのデメリットについて詳しくは以下の記事を読んでもらうとして、本記事では32インチクラスの4K解像度のモニターを選ぶ理由とおすすめのモニターを解説していきます。


32インチを選ぶメリットとは


4Kモニターとは一般的な解像度「フルHD(1920x1080)」の4倍の画素数を持つモニターのことです。
単純にフルHDのモニターをぎゅっと圧縮して、32インチサイズに4枚並べた物と思ってもらえればOK。
4Kモニターにはいろんなサイズがありますが、32インチをオススメする理由をちょっと書いてみます。
作業領域が広い
フルHDモニター4枚分の作業スペースがモニター1枚に圧縮されているのでPC上の作業スペースがめちゃくちゃ広いです。
ただし、圧縮された分文字が小さく表示されてしまうので、設定で文字を大きく表示する(スケーリング設定)必要があります。基本的には接続しただけで最適なスケーリング設定になります。
あとはお好みで、文字の拡大度合いは目とモニターの距離などの環境や視力、用途によって左右されますが「実質モニター3、4枚分ぐらいの作業スペースがある」と考えてもらえばOKです。
デスク上で使うのにちょうどいい大きさ(物理的に)
一般的な24インチモニター2枚を横並びにぴったりとくっつけた場合。機種にもよりますが、その幅は1m10cmになります。
たいていのデスクは1m~1m20cmの物が多いので、2枚モニターを置いた場合デスクの幅を目いっぱい使うことになりますよね。
対して、32インチのモニターであれば幅80cmほどで済んじゃいます。モニター両脇にスペースができるので、デスク上を広く使うことができます。
4Kモニター32インチの選び方とは
4Kモニター32インチのメリットを分かってもらったうえで、どういう基準で製品を選ぶべきかをカンタンに解説してみます。
注目すべきは以下の3点。
- 使用用途にあったパネルの選択
- USB-C入力の有無
- モニターのエルゴノミクス性能
ほかにも機能面で差があるため見るべきポイントは多いのですが、まずこの3つで機種を絞っていくとよいと思います。
パネルの種類に注目
実は液晶パネルには種類があり、それぞれ特徴が違います。
パネルの種類は主にTN、VA、IPSの3種類。一般的に選び方はこんな感じです。
- IPSパネル - 色を扱うクリエイティブ用途に”色再現性が高く良い
- VAパネル - 動画鑑賞用途ではコントラスト比が高く良い
4Kモニター32インチでTNパネルのモデルは「筆者が調べた限りでは存在しない」ので、IPSかVAどちらかで選ぶことになります。
液晶パネルの違いについて詳しく知りたい方は以下を参考にどうぞ!
TN | VA | IPS | |
---|---|---|---|
応答速度 | ◎ | △ | 〇 |
色再現性 | △ | 〇 | ◎ |
コントラスト | △ | ◎ | 〇 |
各項目についての簡単な説明
応答速度
モニターはパラパラ漫画のように液晶のドットひとつひとつが色から色へ切り替わる。この色から色へ切り替わるのに必要な時間が短ければ短いほど(=応答速度が速いほど)残像のない映像になる。
色
発色の良さ、色の表現力。画像や動画の編集をするなど色を扱う場合は色再現性は高いほうが良い。
コントラスト
コントラスト比が低いと色と色の差が目立たない淡く眠たい映像になる。
USB-Cの有無
USB-C入力があれば、USB-Cケーブルを接続するだけで映像の出力が可能になります。
映像用のケーブルといえばHDMIやDisplayPortがメジャーで、どのモニターにも当たり前に搭載されていますが、USB-Cへの給電に対応しているモデルであれば、ケーブル1本でPCからの映像出力とPCの充電が可能になります。
ケーブル1本で済むメリットは大きく、持ち運びからの自宅作業への移行がスムーズにできます。
USB-Cからの映像出力や充電に対応しているMacBookやノートPCを持っている。もしくは購入予定の方はできれば対応モニターを選んだほうが吉。
角度調整や高さ調整




モニターアームを使わないなら画面位置の調整機能が多い方がいいです。
特に高さ方向の調整機能は重要で、長時間作業での首や肩の疲労感の軽減には目線の高さにモニターを配置するのが一番です。
モニターアームがあると自由度が段違いに上がります。導入予定があるならモニターのエルゴノミクス性能は気にしなくてもOK。


4K32インチモニターのおすすめモデル5選
筆者がおすすめする4K32インチクラスのモニターをまとめました。よろしければ参考にしてください!
製品名 | パネル | USB-C | エルゴノミクス | HDR | スピーカー |
---|---|---|---|---|---|
BenQ EW3270U Amazonで見る | 31.5インチ VAパネル | 入力のみ | チルト | ||
BenQ EW3280U Amazonで見る | 31.5インチ IPSパネル | 60W | チルト | ||
ASUS ProArt PA329CV Amazonで見る | 32インチ IPSパネル | 90W+ハブ機能 | チルト/首振り/回転/高さ | ||
DELL S3221QS Amazonで見る | 31.5インチ VAパネル | チルト/首振り/回転/高さ | |||
DELL U3223QE Amazonで見る | 31.5インチ IPSパネル | 90W+ハブ機能 | チルト/首振り/回転/高さ |
VAパネルの4Kモニター定番モデル
BenQ EW3270U


- サイズ:31.5インチ
- パネル:VA
- 色域:95% DCI-P3
- HDR:対応(Display HDR400)
- 入力端子:HDMI2.0 x2、DP1.4 x1、USB-C x1
- スピーカー:2Wx2
- エルゴノミクス:チルト
USB-C 経由の映像入力に対応していますが給電には非対応。また、HDRに対応しているので、対応ゲーム機をつなげれば美麗な映像を体験できます。
周囲の明るさに応じて画面の輝度調整や色温度を調整してくれる、ブライトネスインテリジェンスプラス(B.I.+)機能を備えています。
スタンド機能が角度調整のみで高さの調整ができないのが痛い所ですが、別途モニターアームがあれば問題なし。
動画視聴やゲームに最適な4Kモニター
BenQ EW3280U


- サイズ:31.5インチ
- パネル:IPS
- 色域:95% DCI-P3
- HDR:対応(DisplayHDR 400)
- 入力端子:HDMIx2、DPx1、USB-C(60W給電対応)
- スピーカー:2.1ch(2W x2+5Wサブウーファー)
- エルゴノミクス:チルト
USB-C入力(60W給電対応)付きのIPSパネルのモニター。ブラウンを基調としたシックな外観がモニターにしては珍しいデザインです。
エンタメ視聴に重きを置いたモデルで、スピーカーにPCモニタには珍しい2.1ch付き。音質にこだわらなければ必要十分なスピーカー構成となっているので、別途用意する必要がないのは嬉しいですね。
また、PCモニターとしてはあまり見ないリモコンが付いているのも特徴的。モニターに手を伸ばさずに操作が可能になっています。
ただし、エルゴノミクスはチルトのみとなっている点には注意です。
写真や動画などクリエイティブ用途に最適
ASUS ProArt PA329CV


- サイズ:32インチ
- パネル:IPS
- 色域:100% sRGB、100% Rec.709
- HDR:対応(DisplayHDR 400)
- 入力端子:HDMIx2、DPx1、USB-C(90W給電+ハブ機能)、オーディオ出力
- スピーカー:2Wx2
- エルゴノミクス:チルト、首振り、回転、高さ
クリエイティブ用途でプロ向けをうたった製品。
出荷時キャリブレーション済みで色差ΔE<2の色精度を実現しています。
画面上に、A4用紙などの実際の紙と同じサイズの枠線を表示したり、画面を分割するグリッド線を表示したりすることができるQuick Fit機能を搭載しています。
USB-Cは90W給電とハブ機能付き。モニターに外付けSSD等のストレージやキーボードなどのデバイスをまとめることができます。
また、エルゴノミクス機能も一通り備えているだけではなくデスクにクランプすることができるスタンドも付属。
モニターアームほどの自由度はありませんが、デスクにスタンドベースがない分デスクを広く使うことができますね。
ΔE は、表示される色と人間の目が認識する色がどれだけ近いかを確認するために使用します。 この値は、CIE Lab 色空間の 2 つの点として指定された 2 つの色の差でもあります。 色の精度が低いほど、ΔE の値は高くなります。
引用元:Acer
言い換えるとΔEの値が小さければ小さいほど色の精度が高いということ。ΔE<2という値は色精度の高さを表す指標としてモニタースペックによく表記されます。
コスパに優れた曲面VAパネル
DELL S3221QS


- 画面サイズ:31.5インチ
- パネル:VA(曲率1800Rの曲面)
- 色域:99% sRGB、90% DCI-P3
- HDR:対応
- 端子:HDMIx2、DPx1
- スピーカー:5Wx5W
- エルゴノミクス:チルト、首振り、回転、高さ
コスパの高い製品が多いDELLの4Kモニター。
VAパネルのためコントラスト比が高いのが特徴。パネルが湾曲しているので画面の端が見やすくなっていて視野角がIPSに比べて狭いというVAパネルのデメリットを打ち消しています。
注意点としては廉価モデルのためUSB-C接続がないのが痛いところですね。
ただし、廉価であってもDELLモニターは3年間のプレミアムパネル保証がついています。ドット抜けに対する保証なのでドット抜けに関しては心配いらないところがDELLの良いところ。
高機能デジタルハイエンドモニター
DELL U3223QE


- サイズ:31.5インチ
- パネル:IPS Black
- 色域:98% DCI-P3
- HDR:対応(DisplayHDR 400)
- 端子:HDMIx1、DPx1、USB-C(90W給電+ハブ機能)
- スピーカー:なし
- エルゴノミクス:チルト、首振り、回転、高さ
DELLのデジタルハイエンドな4Kモニター。IPS Blackパネルで通常のIPSパネルよりも黒が黒い=コントラスト比が高いのが特徴。
デジタルハイエンドの名の通り色精度も出荷時キャリブレーションで色差ΔE<2をクリアしているため写真や動画の編集といったクリエイティブ用途にもおすすめなモニターです。
またUSB-Cは90W給電に加えハブ機能を持っているため高機能なところが見逃せません。
- USB-A x5
- USB-C x2
- RJ45
USB-CポートにつなぐだけでモニターがUSBハブとして機能するので有線LANや外付けストレージをモニターにまとめることができちゃいます。頻繁に持ち出すことがあるMacBookやノートPCユーザーにおすすめですね。
こちらもプレミアムパネル交換の保証付きなので3年間はドット抜けの心配いらずで安心して購入できるのも嬉しいポイント。
まとめ
製品名 | パネル | USB-C | エルゴノミクス | HDR | スピーカー |
---|---|---|---|---|---|
BenQ EW3270U Amazonで見る | 31.5インチ VAパネル | 入力のみ | チルト | ||
BenQ EW3280U Amazonで見る | 31.5インチ IPSパネル | 60W | チルト | ||
ASUS ProArt PA329CV Amazonで見る | 32インチ IPSパネル | 90W+ハブ機能 | チルト/首振り/回転/高さ | ||
DELL S3221QS Amazonで見る | 31.5インチ VAパネル | チルト/首振り/回転/高さ | |||
DELL U3223QE Amazonで見る | 31.5インチ IPSパネル | 90W+ハブ機能 | チルト/首振り/回転/高さ |
4Kモニターの32インチクラスはまとめると以下のとおり
- デスク上に置きやすく邪魔にならないギリギリサイズ
- 作業領域の広さと見やすさを両立している
といったように悪い点が見当たらないサイズと言えます。
在宅ワーク、Youtubeや映画など映像鑑賞や、PS4やSwitchなどのゲーム機を繋いでのゲームプレイにも4K32インチのモニターがあれば捗ること間違いなしです。
理想のデスク環境を4Kモニターで実現してはいかがでしょうか。本記事がモニター選びの参考になれば幸いです。
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